長崎大学工学部では、技術職員が学生さん達の授業や研究活動をサポートしています。
このブログでは、技術職員の視点から、工学部で行われている授業や研究の様子を紹介していきます。
「ある日の技術職員」では、工学部で授業や研究をサポートする技術職員の一日を紹介します。
記念すべき第1回目は、[機械系技術職員Uさん] の業務に密着し、工学部機械工学コースの学生さんたちの研究活動の様子をご紹介します。
10月某日 この日は佐賀大学海洋エネルギー研究所(伊万里)へ1泊2日の出張です。
長崎大学工学部にはターボ機械を専門とする先生が在籍しており、その研究室では学部4年生や修士課程の学生さんたちが、潮流タービン開発に関する研究を行っています。
(詳しくはこちら)
Uさんはこの研究室からの依頼で、学生さんたちの水平軸潮流タービン開発をサポートしています。今回の出張では、卒業研究と修士研究の一環で新たに試作されたロングディフューザ付きの潮流タービンの性能を、学生さんたちと一緒に大型実験水槽で検証します。
(タービンってなに?と思った方もこちら)
当日は車で、佐賀県伊万里市にある佐賀大学海洋エネルギー研究所へ向かいます。
(佐賀大学海洋エネルギー研究所が気になった方はこちら)
車を走らせること2時間半ほど。10時半頃に研究所に到着~。
今回タービンの性能実験をさせて頂いた佐賀大学海洋エネルギー研究所は、共同利用・共同研究拠点になっているので、申請すると海洋エネルギー研究所に設置された大型実験水槽等の設備を利用することができます。
学生さんたちと合流したら、まずはお世話になる佐賀大学のT先生にご挨拶です。
T先生は工学部では珍しい女性教員で、実験中にトラブルが発生した際など、いつも親身に相談に乗ってくださる素敵な先生です。ご挨拶を終えた後、性能試験を行う「潮流発電実験回流水槽」が設置されている施設に向かいます。
さて、さっそく性能試験の準備を始めます。
初日の午前中は、持参した装置を組み立てていきます。
順調に作業を進めていましたが、途中でちょっとした問題が発生しました。持ってきた部品の一部がうまくハマりません。
どうしようもないので、ひとまず作業はここで中断です。ちょうど良い時間なので、お昼を食べに行きがてら、必要な工具(ステンレス用のドリル)を現地調達することにしました。午後一で、部品を加工しなおすことにします!
↑手前は学生さんが食べたきくらげラーメン(珍しい!)、奥はUさんが食べたもやしラーメン。
お昼は学生さんたちも一緒に、ラーメンを食べに行きました。
現地でおいしいものを食べるのも、出張の醍醐味ですね~。
さて、しっかりお昼を食べたら作業再開です。
お昼ついでに必要な工具類を調達してきたので、まずは部品の再加工を行います。
↑現場でさっと部品の手直しをするUさん。
再加工した部品で組み立て完了!
↑組みあがったロングディフューザ(後でブレードが中心につきます)。
組みあがったロングディフューザ(タービンの性能を高めてくれる装置)を、水槽に運び入れます。
水槽内でロングディフューザ内に軸を通し、ブレードを装着して位置などを調整し、設置が完了したら、いよいよ水槽に水を張り、動作確認を行います。
↑水槽内で最終調整を行う学生さん達。修士課程の学生さんと学部4年生が協力して行います。
ブレードを回転させて、装置同士の干渉や振れ回りなどの問題がなく、装置が正常に稼働することを確認!
無事、初日の作業は終了です~。
今夜は、研究所に併設された宿泊施設に宿泊させていただきます。
__2日目です________
今日は移動がないので、朝から元気に作業再開です!
ようやくタービンの性能試験が始まります。
水槽内でブレードを回転させ、流速、ブレードの回転数、タービンが受けるトルク (回転力) を測定していきます。
今回の試験では、1つのブレードに対し、タービンの性能を大きく左右する「ロングディフューザ」と呼ばれる部品を3種類用意し、1個ずつ付け替えて、それぞれについて性能試験を行います。
(ちなみに、ブレードと3種のタービンの形状は、学生さんがAIを使って、最も性能が良い形状を導き出しています!)
試すロングディフューザが3種類…
部品を交換するには水槽の水を一度抜く必要があるので、[設置–>水を入れる->性能試験->水を抜く] 作業を3回繰り返すことになります。なので、この試験は実際にはかなりの時間がかかります。
↑水の入った水槽内に設置されたタービンの様子。
そんなこんなで夕方までがっつり作業し、2日目終了!
長崎へ帰ります。(翌日また来ます- Σ(・ω・ノ)ノ!)
作業は残り2日ありますが、長くなるのでブログでの紹介はここまででにします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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