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長崎大学工学部の卒業生8名からお話を聞きました。(2024年5月時点の内容です)

C.Aさん 構造工学コース 博士前期課程(2016年修了)
勤務先:⼤和ハウス⼯業株式会社 集合住宅設計課
 
時代に即した建物を柔軟に設計することが仕事のやりがいの⼀つです。

現在は低層集合住宅の意匠設計をしています。弊社では「D−ROOM」というブランド名で、⼊居者に喜ばれる暮らしの質の向上・地球環境に貢献し続ける建物性能の追求・街に愛され続ける親和性を考慮の三本柱で商品の提供を⾏っています。最近では、⼾建住宅で主流となっているZEH 対応物件を集合住宅でも推進するようになり、時代に即した建物を柔軟に設計することが仕事のやりがいの⼀つです。

私が⼊学したときは、⼥⼦⽣徒が6 ⼈と少ない⼈数で最初は少し不安がありましたが、その分すぐに仲良くなり、充実した⼤学⽣活が送れたと思います。社会⼈9 年⽬を迎える今でも、年に⼀度旅⾏を計画するなど、⽣涯の友達が出来たと思います。構造⼯学コースは、建築・機械・航空などの幅広い分野の構造について学ぶので、卒業後の就職先も幅広く、選択肢がたくさんあったことが良い点であったと感じます。

⼤学では構造⼯学を主に学んでいたため、現在の仕事である意匠設計の分野はわからないことが多かったですが、建物の躯体に関わる構造的な⽤語や成り⽴ちについては、他の同期よりも詳しい部分がありました。実際に、建物の強度や耐震性等はお施主様も気になる部分であり、説明をする機会もあるので、⼤学⽣活で得た知識は今でもとても役に⽴っています。

ものづくりが好きで、将来専⾨的な職に就きたい、と今少しでも思っているのであれば⼯学部はお勧めです。また、特になりたい職業が無い⼈でも、⼯学部は就職先の選択肢が多いので、⻑い⼤学⽣活の中でゆっくりと考える事ができると思います。男⼥問わず楽しい学部だと思うので、何も⼼配せず、⼯学部を⽬指して頑張ってください。

M.Kさん 構造工学コース (2018年卒業)
勤務先:(株)オリエントアイエヌジー 設計部
 
より安心・安全で快適な暮らしができるよう設計をしています。設計したものが実際に完成したときは大きなやりがいを感じます。

現在の仕事内容は長崎県内のまちづくりに携わる仕事(道路や橋などライフラインの設計)をしています。より安心・安全で快適な暮らしができるよう設計をしています。設計したものが実際に完成したときは大きなやりがいを感じます。

長崎大学工学部構造工学コースを選んだ経緯は、高校時代に具体的な将来の夢が定まっておらず、建築、橋梁、自動車など様々な分野に漠然と興味がありました。大学で深く学んでいく中で就職について考えたかったので、様々な分野のことを学べ、卒業生の就職先も様々な分野がある構造工学コースを志望しました。

構造工学コースで受講した講義は仕事で役立つことばかりですが、特に構造力学と、4年次に執筆した卒業論文は特に役立つことが多いと感じます。構造力学は、様々な構造物の考え方の基礎といえます。構造工学コースでは構造力学をしっかり学ぶことができるので、どの分野に就職しても役立つと思います。

大学は4、6年間ですが、その後仕事は定年を60歳としても35年ほど勤務することになります。これを読んでいる高校生は、今志望校に悩みながら日々勉強を頑張られていると思います。私から伝えられるアドバイスは、今そして大学時代に少しだけ真面目に勉強頑張ると、その後35年間好きなこと・興味のあることを仕事にしていくことができます。勉強をもう辞めてしまいたいと思う時もあるかと思いますが、体調には気を付けて毎日少しだけ頑張ってみてください。

Y.Nさん 社会環境デザイン工学コース (2018年卒業)
勤務先:三井住友建設株式会社 土木本部橋梁構造設計部
 
自分が携わった証が後世に残り、社会貢献できることから、とてもやりがいを感じます。

私は今、ゼネコンに勤めています。入社してから現場で約3年間働き、現在は設計部で橋梁の設計に携わっています。設計の業務は構造計算だけではなく経済性や維持管理の容易さ等、様々な視点を求められ難しいことも多く日々勉強ですが、自分が携わった証が後世に残り、社会貢献できることから、とてもやりがいを感じます。

私はものづくりに関わりたくて工学部を選びました。授業ではコンクリートを練る実験や大学内の測量、その他現場見学会等があり、とても楽しく勉強できました。
また、入学当初から先生や大学院の先輩と関わるイベント(スポーツ大会・土木のイベント等)が多く、横だけの繋がりではなく縦の繋がりがあってよかったです。

現在橋の設計に携わっていることから構造力学の勉強はとても役に立っています。また、仕事では相手に文章で伝える場面が多いため、研究で論文を書いたことが役に立っています。

進路に悩むことも多いと思いますが、何事にも全力で取り組めば自分がやりたいこと・やりたくないことが見えてくると思います。見つけられなくても焦らず、大学で沢山の人と関わりながら探すといいと思います。

H.Wさん 化学・物質工学コース 博士前期課程(2020年修了)
勤務先:東ソー株式会社 製造部

面白味は、原料から製品になるまでのプロセスに携わることができることと、新しい技術やプロセスに挑戦する機会が多く、スキルを高めることができることです。

総合化学メーカーの製造部署のスタッフとして、B to B(Business to Business )の原材料を製造する仕事に携わっています。仕事の内容は、製造プロセス(化学反応)の解析や品質対応、大型機械の導入等の幅広い分野の業務に取り組んでいます。製造部署の面白味は、原料から製品になるまでのプロセスに携わることができること、また、新しい技術やプロセスに挑戦する機会が多く、常に自分のスキルを高めることができることだと思います。

材料、化学、生物、物理の幅広い分野を学べることができ、最終的には最も興味のある研究を選択できるカリキュラムに魅力を感じ、長崎大学の化学・物質工学コースを志望しました。大学で学ぶ化学は、原子や分子の性質や挙動を理論的に学ぶところから始まります。高校で学んでいた化学とのレベルの差に、初めは驚きました。しかし、原子や分子の在り方を学ぶことで、私たちの日常の現象や技術を理解することができ、面白味を感じながら、学ぶことができました。

製造部署は様々な分野の知識を必要とするため、化学・物質工学コースで学んだ幅広い知識を最大限に活かせれる仕事だと思います。例えば、化学反応のプロセスの改良では応用化学の知識を生かすことができ、新しい機械や設備の導入の際には、材料化学の知識を活かすことができます。企業で働くと、自分が専攻した研究分野に限らず、様々な分野の業務に携わる機会が多くあります。化学・物質工学コースでは、様々な分野の「知識の引き出し」を得るができたため、多様なアプローチ方法を提案できる点が、最も仕事に役に立っていると感じています。

数学と化学の知識をしっかりと身につけることが重要だと思います。また、物理、化学やプログラミングに目を向け、興味のある分野を見つけてください。授業だけでなく、実践的な経験を積むことも大切だと思うので、インターンシップやセミナーなどに積極的に参加し、実際の工学的な課題に取り組む機会を持つことをお勧めします。

M.Fさん 構造工学コース 博士前期課程 (2021年修了)
勤務先:住友林業株式会社 住宅事業本部 設計担当
 
お客様のイメージから作成したプランをご提案時やお引渡し時に、お客様に喜んでいただくことにやりがいを感じています。

戸建住宅の設計をしています。ヒアリングからプランのご提案、打ち合わせ、図面の作成等が主な業務です。
お客様のイメージから作成したプランのご提案時やお引渡し時に、お客様に喜んでいただくことにやりがいを感じています。

建築士試験の受験要件を満たす事ができ、建築分野だけでなく、幅広い知識を学ぶ事が出来る学部だと思い、長崎大学を選びました。実際に幅広い分野の授業があり、また研究室に入ってからは自身の意思に沿って専門分野を選択し、より詳しく学ぶことができました。

卒業論文、修士論文に向けた研究や準備を通して自ら工夫し、人に自分の考えや提案を伝える術を学んだことが役に立っていると思います。また、構造工学コースでは、幅広い知識が学べるため、専門分野以外の知識をつけることが出来たのも良かったと感じています。

女性の講師の方もいらっしゃるので、不安なことは相談しやすい環境です。学びたいことや夢の実現を全力で応援し支えてくださる教授たちや、試験や実験を共に乗り越えていける友達に出会える素敵な場所ですので、是非長崎大学の工学部で沢山のことを学んで欲しいと思います。

H.Kさん 構造工学コース(2021年卒業)
勤務先:長崎県庁 土木部 住宅課
 
支援を受けた方が事業の内容にご満足いただけたという声を聞くと、とてもやりがいになります。

現在、安心して子どもを産み育てることのできる住まい、住環境の整備のための子育て世帯向け住宅支援事業を担当しています。多子世帯や職住近接、育住近接をする方を対象とし、中古住宅の取得やそれに伴うリフォーム工事費用の補助をしています。支援を受けた方が事業の内容にご満足いただけたという声を聞くと、とてもやりがいになります。

私は高校時代、医療関係の仕事を希望していましたが、センター試験の結果を受けて急遽進路を変更し工学部進学を決めました。構造工学コースでは学習する分野の幅が広いため、最初は授業についていくのにとても苦労しましたが、その分4年間で得られた知識や技術は、他学部よりも多かったと感じています。

現在の仕事では主に、県民のニーズを把握し、自ら新たな事業を考え、費用対効果を分析し、その有益性を上司に提案することを行っています。そこで役立っていることは、研究で身につけた思考力や分析力、情報収集能力、プレゼンテーション能力等です。また、ExcelやPowerPointの使い方は、大学で習得していて良かったです。

工学部は女性が少なく、大学4年間で勉強しなければならない学習量が他学部より多いというイメージがあり、不安に思われる方も多いと思いますが、近年工学部を選ぶ女性は増えており、優秀な女性の先生方もいらっしゃいます。わからないことがあれば、わかりやすく親身に教えてくださいます。また、必要な単位を取得することで、建築士試験の受験資格を得ることができるのも、構造工学コースの魅力の一つです。建築以外にも機械や航空、土木等の幅広い分野の知識を身につけることができるため、多くの選択肢を持って就職活動ができます。

S.Kさん 構造工学コース(2021年卒業)
勤務先:株式会社上滝 建築部
 
建物が完成したときの喜びと、自分がこんなに大きなものを造ったのだという達成感が、仕事への原動力となっています。

私は現在建築現場で施工管理の仕事をしています。仕事内容としては、現場では施工状況を確認し写真に撮り、事務所では役所などに申請する書類や施工図を作成するなど、幅広く自分の仕事があります。仕事の数や量が多く大変だと感じることもありますが、建物が完成したときの喜びと、自分がこんなに大きなものを造ったのだという達成感が、仕事への原動力となっています。

私が所属していた構造工学コースでは、比較的グループワークの授業が多く、どうすれば正解を導き出せるかみんなで考えたり、グループでフィールドワークに出て情報収集するなど、楽しみながら学ぶことができる授業が多かったです。そのため、学生同士はもちろん、先生方とも交流を深めることができ、充実した学生生活を送ることができました。

私の仕事は施工管理のため、現場での作業につながるコンクリートの実験や、パソコンで製図を行うCAD演習など、実技の授業が直接現在の仕事に活きていると思います。また、建物を建てる際に関係する法規や建物の構造、材料に関する授業もプラスαの知識として役立っています。

工学部は、私たちの生活に必要不可欠なもの(構造工学コースであれば建物・道路・橋梁などの構造物)に関する知識を深められる場所です。大学によって、さらにその中の学科・コースによって学べる分野はそれぞれなので、自分がどんな分野を学びたいかなるべく具体的に挙げて、それに当てはまる大学、学科・コースを探してみてください。また、工学部=男性が多いというイメージだと思いますが、近年では女性が学びやすい環境を整えたり、女性の先生もいらっしゃるので、安心して学校に通うことができると思います。大学進学は人生の大きな節目の一つになると思うので、悔いのないよう頑張ってください!

Y.Оさん 化学・物質工学コース(2022年卒業)
勤務先:株式会社ナード研究所 ライフサイエンス研究部
 
お客様と直接話す機会があるので、納品後に直接お礼を言ってもらえたときにやりがいを感じます。

会社が受託合成・研究を行っている会社なので、依頼された合成を行っています。普段は主に有機合成を行っています。低分子のものから、糖、糖脂質など様々なものを合成しています。また、合成だけでなく合成プロセスの検討支援も行っています。やりがいは、お客様と直接話す機会があるので、納品後に直接お礼を言ってもらえたときにやりがいを感じます。

私は、有機合成をやりたくて長崎大学に入学しました。化学・物質工学コースに入って、有機化学だけではなく化学全般の勉強をするんだなと思いました。また、有機合成も大学で行う合成は有機金属化合物を扱うので幅が広く、深いなという印象が残っています。研究で目標としていた化合物の全合成ができたことが、非常にうれしく,印象に残っています。

現在の仕事が有機合成の仕事ですので、大学時代の研究、実験が役に立っています。また、修士課程の1年のときに総合演習でたくさんの英語論文を検索し読むのですが、そのスキルが、現在の仕事にも大変役に立っています。

私は、有機合成を大学で勉強したくて、高校のときWebサイトを調べ,長崎大学の工学部を選びました。高校の進路指導の先生や両親も大学へ進学するならやりたいことができるかきちんと調べてから進路を決めなさい、とアドバイスされたので、いろいろな工学部を調べました。高校生の皆さんもやりたいことを決めて大学を選んだら良いと思います。また、工学部は理科や数学の知識だけではなく文章力なども必要ですので、国語や英語などもしっかり勉強して、工学部に入ってほしいと思います。